21.07.30

起こす支援方法を学ぶ ~リハビリテーションの視点から~

介護2021年度 第12号

◇リラックスして寝る
介護対象者が横になる際、少しでも寝やすいように、またリラックスできるよう私たちは支援をしています。シーツのしわはもちろんですが、枕を適切に当てることの大切さや手足の位置を確認しています。

 

枕の当て方:頸への負担を少なくするために

対象者の姿勢が楽であるかを観察

 

◇寝返り ~起き上がりのための準備~

上体を起こすことで、見える世界が広がり様々な活動につながります。

起き上がり介助の過程で重要な寝返りについて、対象者と介護者の双方がより負担の少ない方法を学習しました。

ポイントは、てこトルクの原理ボディメカニクス(骨格や筋肉などの相互関係で起こる身体の動きのメカニズム)を応用し、寝返りのために体とベッドに接する面積を少なくします。

具体的には、対象者の片方の腕をお腹に載せたり、てこを利用して膝を曲げたりします。

 

☆対象者の膝を曲げる

てこの利用:対象者の膝を曲げる
負担を少なく行えます

ボディメカニクス利用:ベッドに膝をつく
介護者の腰の負担を軽減します

 

☆腕をお腹に載せる

ボディメカニクスの利用:ベッドに接する面積を少なくする
腕と手の2か所を持ち静かにお腹に載せます

上半身の重さを頭部に移動して軽くし、寝返り

トルクの利用:寝返り 完成!

 

立ち上がれない方をベッドサイドから椅子へ移す ~トランスファーボードの利用~

足が不自由で自分で立ち上がってベッドから椅子に移れない人をトランスファーボードという福祉用具を利用し介助します。トランスファーボードをお尻の下に敷き、その上を滑らすことで介護者の負担も少なく ‶あっ"という間に椅子に座れました。

 

トランスファーボードを
お尻の下に入れます

トランスファーボードの上を
滑り始めました