21.06.02

3年生 臨地実習に向け特別講義(3月の様子)

実習は、看護実践能力を育成する基礎看護教育において重要な学習です。

実践能力である理論的知識、判断能力、人間関係への適応能力、問題解決能力、倫理的側面、看護技術は実習を通して習得していきます。

 

4月より本格的に臨地実習に取り組んでいる3年生は、現在、自己の健康管理・感染予防策を講じながら奮闘する毎日です。

本格的な実習に先立ち、去る3月に2名の講師をお招きし、実習に活かせるよう特別講義をして頂きました。少し遡ってその時の様子をお伝えしたいと思います。


最初に『糖尿病患者へのフットケア』の様子です。

講師は、厚生連滑川病院 フットケア外来担当 主任看護師 高島英子先生でした。

糖尿病についての講義…まずは基礎知識から フットケアに必要な物品
「モノフィラメント」による圧触感
触れているの分かりますか??
胼胝(べんち)の処置中
削っています!!

 

学生の学び

・足の形には3種類あり、外反母趾になりやすい形や指の内側に魚の目ができやすい形があること

 を学んだ。

・胼胝や鶏眼の位置でその人の歩き方のくせや特徴が分かる。そのことから転倒リスクをアセスメ

 ントし看護計画に繋がると感じた。

・爪の切り方ややすりでの削り方を見学して、患者さんに痛みを与えないための正しい技術の習得

 が大切であると学んだ。

・実習中何気なく行っていた足浴であったが、改めてその意義について考えることができた。

 

5月現在、足浴実習中に「あっ、この方の足はエジプト型だ!と思うことがある」「洗うだけでなく、観察を忘れないように注意している」と学生の声が聞かれました。

“足を診て、触って、聴くことで、生活状況やセルフケアの状況が分かる”足浴について考えてみましょう。


続いて、『呼吸器疾患看護~体位ドレナージ・在宅酸素療法~』

かみいち総合病院 看護師長 慢性呼吸器疾患看護認定看護師 大井亜紀先生の特別講義です。

 

 

肺の解剖から始まり、視診・聴診・触診と講義は進みます。

更に、体位ドレナージ、在宅酸素療法・ネーザルハイフロー療法と体験型演習は続きます。

自分が思う肺の位置を書いてみましょう! ちょっと小さくない??

 

 

「在宅酸素療法(HOT)」

鼻腔用カニューラを実際に装着し酸素を吸ってみました。

 

「スクイージング(徒手圧迫法)」

痰が貯留する部位に相当する胸壁に手掌を広げて置きます。

上葉…第4肋骨より上の胸郭に手を置き圧迫する

 

中葉および下葉…側臥位になってもらい、

第8肋骨と中腋窩線の交点より上部を圧迫する。

皆さん、上手にできましたか?

力の加減が難しい!

 

【学生の学び】

・人体における肺の正しい位置について学んだ。

・バイタルサイン値など正常から逸脱しているのを見るのではなく、その方における呼吸のパターン

 の特徴を把握することが大切であると分かった。

・今まで在宅酸素療法は患者さんの活動範囲を広げることができるため、自分らしく生きることが

 できるようになると考えていた。しかし、実際にカニューラを付けた自分の姿を見て、このまま

 で外出はしたくないと思った。

・排痰を促す援助にスクイージングという方法がある。実際に行ってみると、呼吸がしやすくなった

 り、気持ちが楽になったりした。

 

5月現在、呼吸音を聴取するときは、肺の大きさを意識するようになったと感じます。

聴診の機会はそれほど多くありませんが、積極的に聴取しようとする意識が伝わってきます。

患者さんの呼吸パターンを把握することが大切です。診ること、触ることを忘れずに!