21.02.25

卒業生、そして当校の元教員からのメッセージ

「大学院での学びを社会に生かしたい」

渡邊 純子 さん

 

私は作業療法士の資格を取得後、子ども専門病院や療育センター等で仕事をしてきました。また、海外での作業療法にも興味があり、作業療法士になって6年目にJICAの青年海外協力隊に参加しました。パキスタンの肢体不自由児施設やネパールの身体障害者リハビリテーションセンターで活動しました。日本や海外での経験の中で、地域の療育教室や家庭への訪問、支援者に対する研修会の実施等を通して、障害のある子どもたちは病院や施設等でリハビリをしている時間だけでなく、地域生活や家庭の中でいかに快適に適応して生活できるかということの大切さを知りました。

 

そして、富山に戻ってきた際は、縁があり母校である富山医療福祉専門学校で勤務させて頂きました。学生に作業療法を教えるかたわら、教育相談や療育相談、特別支援学校や小学校に関わる機会を頂き、特に、障害のある子どもたちの「教育」とは何か、教育の展開、学校の先生方と連携するために教育について更に知識を深めたいという思いが沸き、特別支援教育が学べる大学院へ進学しました。大学院で学ぶ学生は、将来学校の教師になりたいという人だけでなく、現役の教師でさらに学びたいと思って来られている方も多く、授業だけでなく他の在学生とのディスカッションも刺激的でした。研究では、自閉スペクトラム症や知的障害を対象に「応用行動分析」をテーマに進めました。子どもの「行動」を変容するために、どのような環境や関わりが必要であるのか、子どもの「行動」の後の振り返りやフィードバック等が子どもの行動にどのような変容を与えるのか等を中心に、臨床実習や研究において日々悩みながら勉学に励みました。出産・子育て中ということもあり、体力的にも精神的にも大変ではありましたが、担当の教員を始め、同じ研究室の仲間に助けられ、何とか最後まで続け卒業することができました。

 

卒業後は、ヴィストカレッジという放課後等デイサービスと児童発達支援の施設に勤務し、発達障害や知的障害の子どもたちを対象にサービスを提供しています。支援では、直接子どもたちと関わること以外にも、学校や保育園との連携を行い、子どもたちが地域の中で適応できるように支援を行っています。今までの職場での臨床経験や大学院で学んだことを活かしながら、日々、支援について考え、より良い関わりを試行錯誤しながら仕事をしています。勉強をすればするほど、子どもとの関わりが楽しくなり、さらなる疑問が溢れ出し、さらに勉強しようというモチベーションに繋がっているように思います。作業療法士は非常に魅力的な仕事ですし、障害のある子どもたちを支援するためには、欠かせない職業だと感じています。これからも、子どもたちや保護者からのニーズに応えられるような作業療法士を目指し、仕事を続けていきたいと思います。